[小 説/RO小説/moe6]

P010 終わりたい世界 / 2005-04-07 (木)

  • 出演
    • メ ル: メルリーウィ・ハプスブルグ
    • ユキ姉: ユキトラム・ハプスブルグ
    • 師 匠: イクス・ラインハルト
  • 押しかけ出演
    • ユカリ: 謎発明の巫女 ゆかり(小道具係)
    • 黒子1: 発明者助手 らいむ(おしゃべり係)
    • 黒子2: ピコハン使い かりん(黙らせ係)
    • 黒子3: ネタの四尾狐 くみ(主犯格)
    • 黒子4: 双子の堕天使 ぷらむ(衣装係)
    • 黒子5: 双子の堕天使 ぷりむ(照明係)
  • 捕獲出演
    • ナゲット: 冷凍物
    • パトラッシュ: 近所のシロ
    • LOD: 日光去る軍団
  • 憑依出演
    • 黄色いネコミミ: らいむ・りーふ
  • 廃品利用
    • メルの鎧: 踏んづけられて壊れたZガンダムのプラモデル


[小 説/RO小説/moe6]

P001 終わりたい世界 / 2005-04-07 (木)


 俺の名前はメルリーウィ・ハプスブルグ。ルーンミッドガッツ王国のプロンテラ騎士団に所属する騎士で、騎士団の皆は俺のことをメルと呼ぶ。
 しかし、それは世を忍ぶ借りの姿である。俺の真の姿は、この世界に混乱をもたらす悪現れるとき、颯爽と現れ疾風のように去っていく、通りすがりの美少女ネタ戦士ウェポンマスターメルだ。え?男じゃないのかって?それは、読んでのお楽しみ♪
 さて、これから話す事は、俺がウェポンマスターになった時の話しで、まだ自分の事を僕なんて言っていた頃、姉のユキ姉と共に廃墟となった古城へ行ったときの話しだ。

 この番組は、殺戮商人演劇部、ねこみみキャラバン隊♪ 萌えないゴミの日 101匹まーちゃんず♪ のネタギルドの提供でお送り致します。

「……ナレーション!」
「何ですか?」
「小説にCM入れるな!」
「良いじゃないですか、減る物じゃないし」
「使える文字数減るからやめろ」
「そう言えばそうですね、それでは続きをお楽しみ下さい」

 思い立ったが祝日で商店街が軒並み閉まってるルーンミッドガッツ王国の首都、プロンテラ。その街の外れにある建物の二階に住む住人に、いつもと違った朝が訪れた。
 ドンドンドン。
「………メル~?お…事入ったわよ……メルってば……」
 どこかで、僕を呼ぶ声がしているような……。
「……もう……。…当に朝に弱……だから……。それじゃ、勝手…入らせてもらうか……」
 カチャリ……。
 どこかで、金属の当たる音がした気がした……その瞬間。
 バキッ!と板が砕け散る音が鳴り響く。
 それと同時に頭に鋭い痛みが走り、目覚めかけた筈の僕の意識を再び暗闇に引き摺り込もうとした。
「……気持ちよさそうに寝ちゃって……。どうやって起こそうかしら」
 薄れゆく意識の中で、実の姉の声を聞いた気がした。
 ……が、意識が消える前に、顔に冷たい何かが当たるのを感じ意識を取り戻し始める
「……!……んーっ!んーっ!………ぷはぁ……。はぁーはぁー」
 僕は、すぐさま起きあがり、顔に被された濡れた布をはぎ取る。
「ユキ姉、なんて事するんだよ!死んじゃうじゃないか!」
 そういう僕に。
「あら、メルが起きないのが悪いのですよ」
 と天使のような笑顔でそう答える……が、その笑顔とは裏腹に、手にはドアをぶち破るのに使われたと思われるソードメイスと呼ばれる鋼鉄製の鈍器と、絶対ばれない保険金殺人のしかたという本が握られていた。
「……本気で僕を殺そうとしてなかった?」
 僕の視線の先にある物に気付きながらも、変わらぬ笑顔で
「そんなわけないでしょ。そんな事より、騎士団からお仕事の話しが来てるから、急いで支度をして一緒に来なさい」
「え、僕も?」
「ええそうよ、話しは騎士団に行く途中に説明するから、早く準備をしなさい」
 ソードメイスを腰の留め金にとめながら、僕を急かした。
 僕が準備をしている間に、ユキ姉が小さく「近衛兵に握らせるお金が余ったから、後で何か買おうかしら」と言っているのが聞こえた。
 あのまま気を失っていたら、水に濡らした布で窒息死させられた後、川にでも捨てられていたのかも知れない……。ぶち破ったドアの事は、お金で解決するつもりだったのだろう。


「ふ~ん、古城で多発してる冒険者の行方不明の調査なんだ」
 騎士団へ続く道を歩きながら聞いた話しを要約して答えた。
「そういうことね」
「けど、どうして騎士でもない僕に依頼が?」
 ユキ姉のように修道院でも高位な地位にある聖職者への依頼なら分かるのだが……。
「騎士団長のイクスさんから、人選は私に任せるって言われたからよ」
 とにこやかに笑いながら答える。
「騎士団から僕への依頼じゃなくて、ユキ姉の判断なの!?」
「私に一任されたのだから、私の意志は騎士団の意志。だから私がお願いすればそれは騎士団からの依頼と同じなのよ」ほほえみを崩さずそう答える。
「………他には誰に依頼してあるの?」
 嫌な予感を覚えながら、そう聞いてみた。
「他には依頼してないわよ。私とメルとイクスさんの三人だけよ」
「ちょ、ちょっと待ってよ。冒険者が多数行方不明になってるって言う場所なのに、なんで三人なの!?」
 あまりの内容に慌てて問いただすが
「人数多いと支援が面倒でしょ?」
 と何を当たり前の事を聞くのといった感じに答える。
 その後「目撃者が少ない方が後々楽だし」と小さな声で付け加えていたのを、僕は聞き逃さなかった……。


 そうこう話しながら歩いてるうちに、僕たちは目的の建物に着いた。
 建物の外には、今回の依頼をユキ姉に持ってきた騎士団長の一人であり、僕の剣技の師匠であるイクス師匠の姿があった。
 ユキ姉を見つけた師匠が声をかけてくる。
「こんにちは、ユキ」
「こんにちは、イクスさん」
 軽く挨拶を交わす二人。
「今日は一段と綺麗だよ」
「あら、ありがとうございます。けれど、褒めて頂いても何も出ませんよ?」
「あなたが居てくれれば、他には何も要りませんよ」
「嬉しいですわ」
 そう言った後に照れたように笑う二人。
 こいつら完全に僕の事忘れてやがる。
「こ・ん・に・ち・わ、師匠!」
 二人の世界を破るように、大きな声で挨拶をする。
「お、メルは相変わらず元気が良いな」
 今やっと気付いたと言うような表情で、そう答えてくる。
「ユキ姉口説くのは後回しにして、さっさと調査に向かおうよ」
「そう焦るな、メル。まずは、今回の依頼についての説明をしないとな」
 と言う師匠に対し
「大体の説明でしたら、こちらに来る途中で説明をしておきましたわ」
 とユキ姉が答える。
「そうですか。なら、確認程度に簡単な説明をしましょう」
「え~、もう説明はいいよ~」
 そういう僕に、「まー聞け」と言って話し始める。
 その内容は、ほぼユキ姉に聞いた事と同じだった。
「今回は、5つのチームが調査に当たっている。一チームに幾つかの物資が支給されているから、今からそれを渡すので一緒についてきてくれ」
 そういって、僕たちを倉庫に連れて行った。
 倉庫に着き、師匠が係の者に用件を告げると幾つかの物が運ばれてきた。
 一週間分の水と食料、治療用の薬草などの入った袋が3つ。
 そして、ペコペコと呼ばれる輸送用の大きなダチョウのような鳥、白い犬、そして猿が用意された。
「名前は、ナゲット、パトラッシュ、LODです。そしてこれが動物たちの餌です」
 そう言って、赤と青と白の3色の団子のような物を渡してきた。
「………ちょっと待ってよ、ペコペコは良いとして、犬もまだ認めてもいいよ。けどどうして猿がいるのよ猿が!」
 そう激怒する僕に
「メル、お供は大事にしないといけないわよ?」
 そう諭すように言うユキ姉。
「お供って、どうして人じゃなくて、動物を連れて行かないと行けないのさ!」
「鬼退治はこうと決まっているのよ」
「鬼退治ってなに!?」
 そう疑問を投げ続ける僕に、師匠が言った。
「メル、そんなことより、これを装備しなさい」
 そういって、手渡されたのは、コスプレなどに使われる、頭につける青色のネコミミのヘバンドだった。
「なっ!?なんでネコミミなんて着けなきゃいけないんですか!?」
「大人の事情って奴だよメル」
「大人の事情って……」
 と言いながら他の二人を見て言葉を失った。
 そこには、どうみても似合わない黒色のネコミミをつけた師匠とノリノリで黄色のネコミミを着けているユキ姉の姿があった。
「私も恥ずかしいんだ……」
 そう言って後ろを向く師匠。その肩は微かに震えていた。
「そこまでして着けなきゃいけない大人の事情ってなんなの!?」
 僕の師匠に向けた質問に、後ろからユキ姉が答えた。
「メル、スポンサーの提供する物を拒んではいけないのにゃ」
 その時の僕には良くは分からなかったが、ユキ姉の後ろに見えた「大人しく装備しろ」というカンペの文字を見て逆らえずに装備した。


[小 説/本 棚]

終わりたい世界 著:久美くみ / 2005-04-07 (木)

  • クラッシュパロディーシリーズ
    • 萌えないゴミの日06 終わりたい世界 著・イラスト:久美くみ
      同人誌『萌えないゴミの日1』に収録の小説『終わらない世界』のクラッシュパロディー。
      ROも原作も知らなくても、楽しめる?滅茶苦茶なギャグ小説。
      姉の所為で古城へ向かう事になった剣士を待つ運命とは!?
      誰も予想しえない結末が待つ!

      ゆーかりたいむキャラクターズもコッソリ出てきたりします。
      moe06

    作品を読む




[小 説/本 棚]

本棚 EucaryptusTimeMix DayBreakers 著:くみ / 2005-04-07 (木)

  • クラッシュパロディーシリーズ
    • EucaryptusTimeMix DayBreakers 著:くみ
      DayBreakerの続編的なパロディー小説。
      相変わらず原作台無しっぷりの内容ですが、今回は少しシリアスな部分を入れて見てます。
      いつものノリを期待してる人には物足りないかもしれません。
      前回のRO小説に続き今回もゆーかりの面々が出てきてますが気にしない方向で。




[小 説/RO小説/moe6]

P005 終わりたい世界 / 2005-04-07 (木)

 翌朝、僕とユキ姉は朝食のために一階の食堂でテーブルに着き師匠を待っていた。
「おはよう、メル、ユキ」
 テーブルの側に歩いて来ながら挨拶をする師匠。
「おはようございます、イクスさん」
 と立ち上がりながら爽やかに挨拶するユキ姉。
「お……おはよう、師匠」
 と机に突っ伏したまま答える僕。
「おや、メルどうしました?」
「私が朝起きたら、ベッドの上でぐったりしていたのですよ。一体夜に 何をしていたのでしょうね」
 その言葉に、昨夜の出来事を思い出す。……まさか姉の手で女になるとは……。
「……レズネコめ……」と昨夜の出来事を思い出しながら呟く。
 二人はキョトンとしたが、それよりも重要な事に気付き師匠が口を開く。
「そういえば、ユキはすっかり元に戻ったようですね」
 ユキ姉は「はい?」と何のことだか分からない表情で返事をした。
「何も覚えてないのですか?」
 そう聞く師匠に、少し考え込みながら
「騎士団でネコミミを受け取った辺りまでは覚えてるのですが、その後の記憶は、あまり良く思い出せないのですよね」
 握った左手を唇に当て少し困った表情をしながら答えた。
「そうですか……」
「何かご迷惑をおかけしましたか?」
「いえ、特に何もありませんでしたよ」
 覚えてないなら、教えない方が良いだろうと考えての答えだろう。
「少し疲れた感じはしますが、気分はすっきりしていますわ」
 と笑顔で答えるユキ姉。
「そうですか、では今日は予定通り古城に調査へ向かいましょう」
「はい」と元気に答えるユキ姉。
 僕は、ユキ姉とは相反して力なく「は~~い」と返事をした。
「本当に、メルはどうしたのですか?」
「どうしたのでしょうね」
 と意味ありげな笑みを浮かべながら言うユキ姉。
 ……絶対夜のこと覚えてる……。
「たとえば~」と意地悪げな笑みを浮かべながら話しを続けようとする。
 その次の言葉を遮るように、ガタッっと椅子を倒しながら立ち上がり
「な、何でもないよ!さ、朝ご飯食べて調査に行こう!」
 と焦りながら言う僕。
「よ、よく分からないが、元気が出たようだな。それじゃ、昨日できなかった打合せをしながら朝食にしましょう」


[小 説/RO小説/moe6]

P000 終わりたい世界 / 2005-04-07 (木)

moe06


[小 説/RO小説/moe6]

P004 終わりたい世界 / 2005-04-07 (木)

 夕飯時になり、剣の稽古を終えた僕達は宿に戻ることにした。
「しかし、腕を上げましたね。この仕事から戻ったら騎士団への入団を推薦してあげましょう」
「え、ほんとですか!?」
「ええ、その腕ならもう問題ないでしょう」
「やったー」と良いながら宿屋の扉をくぐり。先に帰ってテーブルに着いていたユキ姉の後ろ姿を見つけ駆け寄る。
「ねぇねぇユキ姉聞いてー」
 とユキ姉の前に回り込んだ僕は、その場で凍り付いた。
「どうしたんですかメル?」
 そう言って足早に僕の側に来た師匠も、一緒に凍り付く。
 そこにあったのは、生魚を貪るユキ姉の姿だった。
 数分後、衝撃から立ち直り横にいる師匠の顔を見る。僕と同じく師匠の顔も引きつっていた。その目線に気付きこちらを振り向いて一言。
「お互い、あの黄色いネコミミを着けなくて良かったな」
「そうですね」
「だけど、考え方によっては、あの方が幸せかも知れないが……」
 出来るだけ気にしないようにしているお互いのネコミミを見合って同時にため息をついた。
「とりあえず、ユキ姉に話しかけてみよう」
 僕は師匠の言葉に頷いた後
「ユキ姉~、お魚おいしい?」と呼びかける。
 その呼びかけに「にゃ~」と満面の笑顔で答えるユキ姉……がその顔には左右に三本のひげが生えていた。
「師匠ーーー!!、完全に猫化してますよーーー!」
 涙目になりながら師匠に訴える。
「言葉も忘れてる可能性高いですね……」
 引きつった表情で見ている二人を気にする様子もなく、魚を貪るユキ猫。が、不意に耳をピンッと立てると、何かを思い出したように机の下に置いてあった二メーターほどの紙包みをメルの方に押しつけた。
「……くれるの?」
 そう聞くと「にゃー」と言いながら頷いた。
「一体なんだろう……」
 その包みには「入団祝い」という文字が書いてあった。が一度開けた後に再び包んだような感じになっている。不思議に思いながらその紙を取り除くと、中からは三股の矛『トライデント』が姿を現した。ギリシャ神話に出てくる、ポセイドンの武器として有名な武器である……が。
「……生臭い……」
トライデントの所々に、魚の鱗が付いていた。
「それで、この魚を取ったのでしょうね」
ポセイドンの武器というと聞こえは良いが、実際は戦闘よりも漁に使われる事の多い武器である。
「しかし、その矛かなりの業物ですよ」
 それは、極限まで鍛え上げた鋼鉄の刃に、魔力を秘めた宝石(カード)が埋め込まれさらに強さをました業物であった。
「かなり高価な物だったでしょう」
「でも魚を捕ってきたんですよね……」とため息混じりに言う。
「これを作った人は、最初の得物が魚だとは思ってもみなかったでしょうね」
「そうですよね……。ところで師匠、なんで入団祝いとか書いてるのでしょうか?」
「メルの実力が分かってるから、入団出来るようになると思っていたのではないでしょうかね」
「ありがとう、ユキ姉……」呪いって文字が気になるけど。
 その言葉に対して、分かっているのかいないのかユキ猫は「にゃー」とだけ答えて最後の魚をゴクンと飲み込んだ。そしてお腹が一杯になって満足をしたのか、そのまま眠ってしまった。
 その後、眠ってしまったユキ姉を部屋に連れて行って寝かせた後、宿屋の一階の食堂で夕食を取りながら、明日からの調査の打合せをした。が、肝心の支援役であるユキ姉があの状態ではどうしようもなく、明日はユキ姉を戻す方法を探すと言うことになり、その日は各自部屋に戻って休む事にした。


[小 説/RO小説/moe6]

P002 終わりたい世界 / 2005-04-07 (木)

 その二日後、僕たちは目的地の近くの街で宿を取った。
「ふぅ~久しぶりのベッドだ~」
 ベッドの脇に荷物を置いた後、そう言いながらベッドに倒れ込む。
「もうメルったら、私のベッドでもあるのだから、全部取らないでにゃ」
 そう言われて、はたっと気付く。
「あれ、なんでベッドが一つなの?」
 確か師匠にユキ姉と同じ部屋で良いかと聞かれ良いと言ったが、なぜベッドまで一つなのだろう。
「あら、たまには一緒に寝ても良いにゃ」
「別に構わないと言えば構わないけどさ……」
 そう言いながら、何か凄く嫌な予感がしてならなかった。
 その時、コンコンと扉をノックする音が聞こえた。
「はいにゃ」と返事をしてユキ姉が扉を開ける。
 扉の外には師匠が立っていた。
「調査には明日から向かいますので、その打合せを今日の夕食時に行いたいと思います。夕食までは自由時間としますが、夕食までには戻ってきて下さい」
「わかりましたにゃ」と短く答えるユキ姉。
 自由時間と聞いた僕は
「ねぇーねぇー師匠ー、久しぶりに稽古着けてよ」
「そうですね、メルが何処まで腕を上げたか見てみたいですから良いですよ」
「ユキ姉はどうする?」
 そうユキ姉に尋ねると、ユキ姉は首を傾げてネコミミをピクピクさせながら悩む仕草を見せ……ってネコミミがピクピクって!?
「ゆ、ユキ姉ー!」
「どうしたにゃ?大きな声を出したらびっくりするにゃ」
「なんで、ネコミミがピクピク動くのさ!」
「にゃ?私の耳だから動いてもおかしくないにゃ。変なこという子にゃ」
「私の耳って、それ着け耳でしょ!?」
「何を言ってるのにゃ。二人が稽古するのなら、私はお買い物に行ってくるにゃ。それでは、また夕食ににゃ」
 そう言って、ユキ姉は部屋から出て行った……。
 ネコミミを着けてからしゃべり方とか仕草がおかしいと思っていたけど、あれはどうみても演技ではなさそうである。
「し、師匠~」
 ちょっと泣きそうな顔で師匠を見る。
「……たまには呪われたネコミミもあるさ。さ、宿の裏の広場を借りて稽古をつけてやろう」
 と、引きつった声で言いながら、広場を借りるために宿屋の主人の所に向かう師匠だった。


[小 説/RO小説/moe6]

P003 終わりたい世界 / 2005-04-07 (木)

 無事に場所を借りられた僕たちは、宿屋裏の広場で向かい合っていた。
「メル、準備は良いですか?」
 その言葉に、頷きながら。
「いいよ師匠」
 そういって手に持った槍を地面に突き刺し、腰の鞘に左手をかける。
「それでは、始めましょうか」
 そう言った師匠の前には、小さなテーブルが置かれ、その上には、バックラーと呼ばれる丸い鉄製の盾が裏返しに置いてあった。
 師匠が左手で右手の拳を押さえながら右腕を後ろに引く。僕はその動作に対し右足を少し後ろに下げ腰を落とす。
「行きますよ!」
 その師匠の言葉が終わると同時に動き出す二人。
『最初はグー。ジャンケン、ポン!』
 その言葉が終わると同時に右拳を突き出す。
 僕はグー、師匠はチョキを出していた。
 瞬間僕は右手で鞘からサーベルを抜き斬りかかる。しかし、師匠はそれより早く机の上のバックラーを取り、僕の一撃を難なく受け止める。
「遅いですよ」という師匠に「準備運動ですよ」と返す。
そして、再び構えをとる二人。
『最初はグー。ジャンケン、ポン!』
 僕はパー、師匠もパーを出していた。
『アイコで、ショ!』
 チョキとチョキ。
『アイコで、ショ!』
 チョキとグー。
 その瞬間、武器を持っているとは思えないスピードで右手を振るう師匠。
 盾を手に取るには間に合わず、思わず左腕を上げてガードをする。しまったと思った瞬間。
 ピコッ!☆
 という軽快な音が鳴り響く。
「な、な、な、なんですかそれは!」
「あ~これか?ピコピコハンマーとか言う物らしいよ」
 そう言って、黄色の柄の先に赤いハンマー状の物がついた武器を振り回す。
「モノラシイッテ」
 凄く棒読みに言う。
「いや、つい最近知り合った栗色で跳ねっ毛の錬金術師に貰った武器だから良くはわからないんだ。軽いから攻撃速度はあがるのだが、いかせん威力がな~」
 と本気で悩む感じで言う。
「師匠~、それってどう見てもおもちゃだと思うんですけど……」
「……あ、やっぱりお前もそう思うか?もしかしてこれもかな」
 そう言って、ピコピコハンマーを机に置くと、腰の辺りから長さ一メーター程度の何かを取り出す。
 それは、長さが一メーターぐらいの紙を、五センチの間隔で谷折りと山折りを繰り返して蛇腹状にし、手に持っている辺りには布を巻いて持ちやすいようにした物のようだった。
「これどう思う?」
「何なのですか、それ」
「ハリセンとか言う武器らしい」
 そう言って、ハリセンと呼んだ武器を振り回す。
「それも、あまり威力なさそうですね……」
「そうかな」
 と言う言葉が終わると同時にその武器を僕の顔に向けて振り抜いた。
 ベチッ!
「イターーーーーーーーイ」
 そう叫んだ後、顔を押さえてうずくまる。
「お、結構威力あるな」
 その言葉を聞いてむっとした僕は、すっと立ち上がり机にあるピコピコハンマーを手に取り
「いきなり何するんですか!痛いじゃないですか!」
 と言ってピコピコハンマーで殴りかかる。
「いや、威力なさそうって言うからちょっと試して見ただけじゃないか」
 と攻撃を両腕で防ぎながら笑ってそう答える。
「そう言うことは、自分で試して下さいよ!」
 と言い、受けるのを辞めて逃げる師匠を追いかける。辺りにピコピコ音が鳴り響く。
「いや、痛かったら嫌だし」
「僕も嫌ですよ!」
 その後、日が暮れるまでピコピコハンマーとハリセンを使った死闘(じゃれ合い)が続いたのであった。


[雑 記/ね た]

今年も色々ありますね(笑) / 2005-04-01 (金)

イソプレス うおっち Headline
毎年見てるとこなのですが、やっぱりここのネタ好きです。(笑)

今日だけのネタサイトが多いから、がんばっていろいろ回らないと。Σd('ー'*)